不動産会社の行政処分歴を調べる方法 — 国交省システム活用法
宅建業者の行政処分歴を国土交通省のネガティブ情報等検索システムで調べる方法を図解で解説。業務停止・免許取り消しの検索手順と、処分歴の見方を紹介します。
不動産会社を選ぶとき、口コミや免許番号の確認はする方が増えてきました。しかし、過去に行政処分を受けたかどうかまで調べている方はまだ少ないのではないでしょうか。
実は国土交通省が無料で使える検索システムを公開しており、誰でも簡単に宅建業者の行政処分歴を調べられます。この記事では、その使い方と処分歴の見方を解説します。
宅建業者の行政処分とは
宅建業者(不動産会社)が宅地建物取引業法や関連法規に違反すると、免許権者(都道府県知事または国土交通大臣)から行政処分を受けます。
主な行政処分の種類は次のとおりです。
| 処分の種類 | 内容 | 重さ |
|---|---|---|
| 指示処分 | 法令違反の是正を命じる | 軽い |
| 業務停止処分 | 一定期間(最大1年)の業務を停止させる | 中程度 |
| 免許取り消し処分 | 宅建業の免許を剥奪する | 最も重い |
処分の原因となる主な違反行為には、おとり広告・誇大広告、重要事項説明の不実施・虚偽説明、手付金の横領、無免許での業務などがあります。
国土交通省ネガティブ情報等検索システムとは
国土交通省ネガティブ情報等検索システムは、宅建業者・建設業者などに対して国土交通大臣や各地方整備局長が行った行政処分情報を一般公開しているデータベースです。
主な特徴は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開範囲 | 過去5年分の行政処分情報 |
| 更新頻度 | 概ね1ヶ月に1回 |
| 検索方法 | 会社名・免許番号・都道府県などで検索可能 |
| 利用料金 | 無料 |
ただし、このシステムが公開するのは国土交通大臣や地方整備局が行った処分のみです。都道府県知事が行った処分は含まれないため、完全ではありません。
都道府県知事処分の調べ方
都道府県知事が行った行政処分は、各都道府県の担当部署や不動産ジャパン(公益財団法人不動産流通推進センター運営)の行政処分情報ページで確認できます。
また、各都道府県の宅建業者検索システムでも処分情報を確認できる場合があります。
建設業者・宅建業者等企業情報検索システムとの違い
「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」は、会社名や免許番号から宅建業者の基本情報を調べるシステムです。免許番号・住所・代表者名などを確認できますが、行政処分情報は含まれません。
行政処分を調べるには、必ずネガティブ情報等検索システムを別途使う必要があります。
行政処分情報の見方
行政処分情報には次の項目が記載されています。
- 処分年月日:いつ処分を受けたか
- 免許番号:処分を受けた宅建業者の番号
- 事業者名・本社住所
- 処分の種類:指示・業務停止・免許取り消しのいずれか
- 違反行為の概要:何をしたから処分されたか
違反行為の概要を読むことで、どのような不正行為があったかがわかります。「重要事項説明義務違反」「誇大広告」「手付金の保全措置違反」など、具体的な内容が記載されています。
行政処分歴をどう判断するか
行政処分歴があるからといって、必ずしも「今も問題がある」とは限りません。ただし、次の点には注意が必要です。
免許取り消し後に再免許を取得した会社
免許取り消し処分を受けた後、新たに免許を取得して営業を再開している会社があります。社名変更・代表者変更などで同一グループが別の名前で営業しているケースも存在します。
短期間に複数回の処分歴がある会社
1回の処分は偶発的なミスの可能性もありますが、短期間に複数回の処分を受けている会社は、組織的な課題がある可能性が考えられます。
免許番号のカッコ内の数字と合わせて確認
免許番号のカッコ内の数字(免許更新回数)と行政処分歴を組み合わせると、より正確にリスクを判断できます。更新回数が多いのに処分歴がある場合は特に注意が必要です。
実際に調べてみた経験
以前、引っ越しを検討していたとき、知人から「○○不動産は対応が悪い」と聞いたことがありました。ネガティブ情報等検索システムで調べてみると、2年前に「重要事項説明義務違反」で業務停止処分を受けていたことが確認できました。
実際にその会社が今も問題があるかはわかりませんが、初めての賃貸探しで不安を抱えていた私には、この情報が別の会社を選ぶ決断を後押ししてくれました。
処分歴を調べるのに5分もかかりません。不動産会社を選ぶ前の習慣として取り入れてみてください。
宅建業者検索Mapと組み合わせて活用する
宅建業者検索Mapでは、地域の宅建業者を地図上で一覧できます。気になる不動産会社を見つけたら、その免許番号を確認したうえでネガティブ情報等検索システムで行政処分歴をダブルチェックする流れがおすすめです。
| チェック項目 | 確認できるツール |
|---|---|
| 免許番号・更新回数 | 宅建業者検索Map・会社サイト |
| 行政処分歴(国交省) | ネガティブ情報等検索システム |
| 行政処分歴(都道府県) | 不動産ジャパン・各都道府県サイト |
| 口コミ・評判 | Googleマップ・各口コミサイト |
まとめ
- 宅建業者の行政処分歴は国土交通省のネガティブ情報等検索システムで無料で確認できる
- 過去5年分の行政処分情報が公開されており、1ヶ月に1回更新される
- 処分の種類は指示・業務停止・免許取り消しの3段階
- 国交省システムは大臣免許に関する処分のみ。都道府県知事処分は別途確認が必要
- 宅建業者検索Mapで免許情報を確認し、ネガティブ情報と組み合わせてチェックしよう
不動産会社に訪問する前の5分間、行政処分歴を調べるだけで、大きなトラブルを未然に防げます。