宅建業免許の種類 — 知事免許と大臣免許の違い
宅建業免許の「知事免許」と「大臣免許」の違いをわかりやすく解説。取引範囲、申請先、取得期間の違いを整理し、不動産会社選びへの活かし方を紹介します。
不動産会社の免許番号を見ると、「東京都知事(3)第12345号」や「国土交通大臣(2)第6789号」のように、免許権者が異なることに気づきます。
この「知事免許」と「大臣免許」にはどんな違いがあるのでしょうか。この記事では、2つの免許の違いと、不動産会社選びにどう活かせるかを解説します。
知事免許と大臣免許の基本的な違い
宅建業免許には2種類あり、違いは事務所の設置場所で決まります。
| 知事免許 | 大臣免許 | |
|---|---|---|
| 正式名称 | 都道府県知事免許 | 国土交通大臣免許 |
| 事務所の条件 | 1つの都道府県内にのみ事務所がある | 2つ以上の都道府県に事務所がある |
| 申請先 | 事務所所在地の都道府県 | 主たる事務所の所在地を管轄する地方整備局 |
| 取得までの期間 | 約30〜40日 | 約100日 |
| 有効期間 | 5年 | 5年 |
どちらの免許も有効期間は5年で、更新のたびに免許番号のカッコ内の数字が1つ増えます。
よくある誤解:大臣免許のほうが「格上」?
「大臣免許=大手で信頼できる」「知事免許=小規模で不安」と思われがちですが、これは誤解です。
免許の種類は取引範囲に影響しない
知事免許でも大臣免許でも、取り扱える物件の範囲は同じです。東京都知事免許の不動産会社が、大阪の物件を仲介することも法律上まったく問題ありません。
免許の種類が決めるのは事務所の設置場所だけであり、営業活動の範囲を制限するものではありません。
大臣免許は「複数の都道府県に事務所がある」だけ
大臣免許は、複数の都道府県に物理的な事務所を置いている場合に必要になります。結果として全国展開の大手不動産会社が多くなりますが、免許の種類自体が会社の信頼性を示すわけではありません。
地域密着型の知事免許の不動産会社が、そのエリアでは大手よりも豊富な物件情報を持っていることは珍しくありません。
免許換えとは
事務所の設置状況が変わると、免許換え(めんきょがえ)という手続きが必要になります。
| 変更内容 | 手続き |
|---|---|
| 知事免許 → 他県に事務所を新設 | 大臣免許への免許換え |
| 大臣免許 → 1つの都道府県に事務所を集約 | 知事免許への免許換え |
| 知事免許 → 別の都道府県に事務所を移転 | 移転先の知事免許への免許換え |
免許換えを行うと、カッコ内の数字(更新回数)は引き継がれます。たとえば「東京都知事(5)」から大臣免許に換えた場合、「国土交通大臣(5)」となります。
不動産会社選びで免許の種類をどう活かすか
免許の種類だけで不動産会社の良し悪しは判断できませんが、次のような使い方ができます。
地域密着で探すなら知事免許の会社
地元エリアに特化した不動産会社は、そのエリアの物件情報や大家さんとのネットワークが豊富です。特に賃貸物件を探す場合、地域に根ざした知事免許の会社が頼りになることが多いです。
広域で探すなら大臣免許の会社
転勤などで複数の都市の物件を一括して相談したい場合は、各地に支店を持つ大臣免許の会社が便利です。
どちらにしても更新回数を確認
免許の種類よりも重要なのは、**カッコ内の数字(更新回数)**です。長年にわたって免許を維持できている不動産会社は、それだけ安定した経営を続けてきた証拠です。
私が免許の種類を気にするようになった経験
以前、引っ越しの際にネットで見つけた不動産会社に問い合わせたことがあります。対応は丁寧だったのですが、扱っている物件がほとんど自社管理物件ばかりで、他の選択肢を比較しにくいと感じました。
あとからその会社の免許番号を調べると大臣免許で、全国に支店を展開する会社でした。広域展開している分、地元の細かい物件情報には弱い面があったようです。
結局、地元で長く営業している知事免許の不動産会社に相談し直したところ、ネットに出ていない物件も含めて多くの選択肢を提案してもらえました。
この経験から、免許の種類と自分のニーズの相性を考えるようになりました。
宅建業者検索Mapで免許の種類を確認する
宅建業者検索Mapでは、全国の宅建業者の免許情報を地図上で確認できます。
業者の詳細画面には免許番号の全文が表示されるため、知事免許か大臣免許かをすぐに確認できます。さらに、免許更新回数による色分け表示で、営業年数の目安も視覚的にわかります。
引っ越し先の地域にどんな不動産会社があるか、事前に宅建業者検索Mapでチェックしてみてください。
まとめ
- 知事免許は1つの都道府県内に事務所がある不動産会社の免許
- 大臣免許は2つ以上の都道府県に事務所がある場合に必要
- 免許の種類は取引範囲に影響しない(知事免許でも全国の物件を扱える)
- 大臣免許=信頼できるとは限らない。更新回数のほうが重要な判断材料
- 地域密着で探すなら知事免許、広域なら大臣免許の会社が便利
- 宅建業者検索Mapで免許の種類と更新回数をまとめて確認できる
免許の「種類」と「更新回数」の両方を見ることで、自分に合った不動産会社を見つけやすくなります。