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おとり物件の見分け方 — 賃貸で騙されないためのチェックリスト

おとり物件の特徴と見分け方を実体験をもとに解説。家賃相場との比較、内見可否、掲載期間など6つのチェックポイントと、被害に遭った場合の対処法を紹介します。

「いい物件を見つけた!」と思って問い合わせたら「もう決まりました」——この経験、一度はしたことがある方も多いのではないでしょうか。

それがおとり物件(おとり広告)です。実際には契約できない物件を広告に掲載して来店を促す手法で、宅建業法違反にあたります。この記事では、おとり物件の見分け方と、引っかからないための対策を解説します。

おとり物件とは

おとり物件とは、実際には契約できない物件、または存在しない物件を意図的に広告掲載し、問い合わせや来店を誘導する手法です。

おとり物件が使われる目的は主に次の2つです。

  • 来店のきっかけ作り:好条件の物件で問い合わせを集め、来店後に別の物件を紹介する
  • 顧客獲得:「もう決まった」と伝え、そのまま別物件の案内に切り替える

宅地建物取引業法(宅建業法)は、不実の表示や誇大広告を禁止しており、おとり物件の掲載は明確な違反行為です。発覚した場合、業務停止処分や最悪の場合は宅建業免許の取り消しという重い行政処分につながります。

おとり物件を見分ける6つのチェックポイント

1. 家賃が相場より明らかに安い

同エリア・同条件の物件と比較して、突出して家賃が安い物件は注意が必要です。

「好立地・広い・安い」がすべて揃う物件は現実にはほぼ存在しません。SUUMO・HOMES・アットホームなど複数のポータルサイトで同エリアの相場を確認し、違和感があれば疑ってみましょう。

2. 掲載期間が長い割に人気物件のように見える

好条件の物件が長期間掲載され続けている場合、おとり物件の可能性があります。本当に好条件なら即日〜数日で決まるはずです。

掲載日を確認できるポータルサイトでは、「募集開始から何日経過しているか」を必ずチェックしましょう。

3. 内見を断られる・先延ばしにされる

**「現在入居中で内見できない」「オーナーの許可が必要」**など、内見を後回しにされる場合は注意サインです。

本物の空き物件であれば、基本的にすぐに内見の手配ができます。内見できない理由をうまく説明できない不動産会社には警戒が必要です。

4. 写真が少ない・使い回しの疑いがある

おとり物件では、物件の実際の写真が少なかったり、他物件の写真を使い回していることがあります。

逆に写真が多くても、室内写真だけで外観・共用部・周辺の写真がない場合も注意が必要です。画像の質が不自然に高すぎる(モデルルームのような写真)場合も確認しましょう。

5. 問い合わせへの回答に不自然な点がある

「空き確認中です」と言いながら何日も返答がない、あるいは「今すぐ内見できます」と言ったのに具体的な日時を決めようとすると話が変わる——こうした対応の矛盾はおとり物件の疑いサインです。

また、「現地集合はできません。まず店舗にお越しください」と頑なに来店を求めてくる場合も注意が必要です。本物の空き物件であれば現地集合で内見を手配するのは難しくありません。来店を強く求めるのは、実際には物件が存在しない(または契約できない状態にある)ため、店舗に引き込んで別の物件を紹介したいという動機があるケースがあります。

問い合わせ時に「現地で待ち合わせできますか?」と明示することで、対応の変化を見るのも有効です。

なお、「即レス=おとり」という判断は現在では当てはまりにくくなっています。多くの不動産会社が自動応答やAIチャットを導入しており、夜中・早朝でも即座に返信が来ること自体は珍しくありません。回答の速さより、内見の日取りを具体的に進められるかどうかで判断しましょう。

6. 来店後に「さっき決まった」と言われる

これが最も典型的なおとり物件の手口です。店舗に到着したとたんに「先ほど申し込みが入りまして…」と告げられ、代わりの物件を次々に紹介されます。

この手口に気づいたら、その場で断って退店することをおすすめします。興味のない物件を押しつけられる状況になりがちです。

実体験:私が遭遇したおとり物件

賃貸を探していた頃、ポータルサイトで見つけた物件に問い合わせました。「内見できます」との返答に喜んで問い合わせたのですが、「店舗集合でお願いします」と現地集合ができないと言われ、少し不思議に思いながらも訪問しました。

到着すると「その物件は先ほど決まってしまいまして…」という言葉。そして、まったく条件の違う物件を次々に案内されました。

後から調べると、その不動産会社の免許番号のカッコ内は(1)——開業から間もない業者でした。免許番号を事前にチェックしていれば、ある程度リスクを判断できたかもしれません。

不動産会社の免許番号の見方も参考にしてください。

おとり物件に引っかからないための対策

複数のポータルサイトで同じ物件を確認する

気になる物件がSUUMO・HOMES・アットホームなど複数のサイトに掲載されているか確認しましょう。1社だけが格安で掲載している場合は要注意です。

現地集合で内見を申し込む

電話やメールで問い合わせる際、**「現地で待ち合わせしたい」**と明確に伝えましょう。「店舗集合のみ」と言われる場合は疑ってください。

事前に不動産会社を調べる

訪問前に不動産会社の免許番号・更新回数・口コミを確認する習慣をつけましょう。宅建業者検索Mapでは、地図上で不動産会社の免許情報を確認できます。

被害に遭ったら行政窓口へ

おとり物件と確信した場合は、都道府県の宅建業者担当窓口国土交通省ネガティブ情報等検索システムに通報・相談できます。通報を受けた行政機関が調査を行い、違反が認定された場合には業務停止命令や免許取り消しなどの行政処分が下されることがあります。

宅建業者検索Mapで不動産会社を事前チェック

宅建業者検索Mapでは、全国の宅建業者の免許更新回数を地図上で確認できます。免許更新回数は業者の営業年数の目安であり、訪問前の参考情報として活用できます。なお、更新回数の多少だけで業者の良し悪しは判断できません。あくまで複数の判断材料のひとつとして使いましょう。

訪問前に免許番号と更新回数を確認するだけで、リスクを大幅に減らせます。

まとめ

  • おとり物件は宅建業法違反。来店誘導や顧客獲得のために使われる
  • 見分け方のチェックポイント:相場より安い・内見不可・長期掲載・来店後に「決まった」
  • 現地集合を申し込むことで最初のリスクを減らせる
  • 事前に不動産会社の免許番号・更新回数を確認する
  • 被害に遭ったら都道府県の担当窓口に相談・通報を
  • 宅建業者検索Mapで訪問前に業者情報をチェックしよう

物件だけでなく、仲介する不動産会社も事前に調べる習慣が、おとり物件被害を防ぐ最善策です。